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財務に強い会社は何が違う?利益とお金の真実を徹底解説

目次
はじめに
企業の財務力は、その存続と発展にとって極めて重要です。財務に強い会社は、利益とキャッシュフローを適切に管理することで、健全な経営を維持することができます。本日は、財務に強い会社の特徴や、利益とお金の真実について詳しく解説していきます。
財務の本質:利益とお金の区別
財務の本質を理解するためには、「利益」と「お金」の違いを正確に把握する必要があります。
利益とお金の性格の違い
佐藤幸利先生によると、会社の中で動いている「お金」は、大きく二つに分類できます。「商売で稼いだ100万円」のような「儲けのお金」と、「銀行から借入した50万円」のような「儲け以外のお金」です。これらは性格が全く異なるお金であり、財務に強い会社はこの違いを理解し、適切に管理しています。
例えば、借入金は返済義務があるため、キャッシュフローを圧迫する可能性があります。一方、自社の利益から生まれたお金は自由に使えます。このように利益とお金の性格を理解し、それぞれの管理方法を変えることが重要なのです。
利益とキャッシュフローの関係
利益が出ていても、キャッシュフローが悪化すると、いわゆる「黒字倒産」のリスクがあります。売掛金の回収遅れや、借入金の返済など、利益とキャッシュフローはイコールではありません。
財務に強い会社は、この関係を正しく理解しています。売上だけでなく利益を生み出すこと、そして売上代金の早期回収や適切な在庫管理など、資金繰りを意識した経営を行っています。
利益の追求とキャッシュの確保
利益を出し続けることは容易ではありませんが、利益を追求し続けることがキャッシュを増やす鍵となります。一方で、一時的にキャッシュが減る場合もあるため、負債の増加や在庫の削減、無駄な支出の抑制など、様々な方法を組み合わせることで、キャッシュを確保することができます。
また、「早く入れて、遅く出す」ことで会社の中にキャッシュを残すことも有効な手段です。利益とキャッシュのバランスを取り、会社の存続と発展につなげることが重要なのです。
財務に強い会社の特徴
財務に強い会社には、以下のような特徴があります。
間接経費の適切な管理
間接経費は固定費が多く、売上の変動に関わらず発生し続けるため、これらを適切に把握し、コントロールすることが重要です。財務に強い会社は、間接経費の削減に注力し、利益を圧迫する要因を見逃さないよう努めています。
具体的には、現状の経費を詳細に把握し、不要な支出を見極めます。次に、削減目標を設定して実行に移します。単なる数字合わせではなく、なぜその経費が必要なのかを徹底的に検討するのです。
健全な財務指標の維持
財務に強い会社は、以下の4つの指標を満たしています。
- 1人当たり1,000万円の純資産(自己資本)を持つこと
- 自己資本比率が50%以上であること
- 1年分の固定費を預金や金融資産で保有していること
- 総資産利益率(ROA)が10%以上であること
これらの指標を満たすことで、会社は盤石な財務体質を築き、災害や事故などの不測の事態にも耐えられるようになります。また、利益を蓄積し続けることで、持続可能な経営を実現できるのです。
経営幹部の数字リテラシー
財務に強い会社の大きな特徴は、経営幹部が会社の数字を理解し、経営に生かせる感覚を持っていることです。財務三表を読み解き、売上や原価、経費、利益率などの収益構造を把握しています。さらに、部門別の管理会計を導入し、営業利益を管理しています。
このように数字をオープンにすることで、幹部社員から提案が出るようになります。経営者は最終判断を下せばよく、幹部社員が会社を良くする方向で動いてくれるのです。つまり、財務に強い会社では経営の担い手が増えるのが特徴といえます。
内部留保と企業の強さ
内部留保は、企業が利益から株主に配当せずに残した資金のことで、企業の財務基盤を強化し、将来の投資に活用されます。
内部留保の意義
内部留保には、以下のような重要な意義があります。
- 万が一の経営危機に備えるための保険的な役割
- 企業の信用スコアとして機能する
- 企業間の掛取引において、信用の指標となる
内部留保を高めることで、企業は経営の安定性と信用力を高めることができます。ただし、内部留保をしすぎると法人税の課税対象となる可能性があるため、適切な水準を維持することが重要です。
日本企業の内部留保率
日本企業の内部留保率は通常50%前後で推移しており、中小企業のほうが大企業よりも内部留保率が高い傾向にあります。景気の変動に応じて内部留保率は増減しますが、内部留保は企業の強さを示す重要な指標といえます。
財務に強い会社は、内部留保を積極的に行い、将来の不況や投資に備えています。現金が不足する企業と比べ、信用力が高く、柔軟な経営が可能になるのです。
社長の財務基盤の重要性
財務に強い会社を作るためには、社長個人の財務基盤が強固であることが重要です。
社長個人の財務教育
会社から多額の給与が振り込まれても、社長個人の口座から自由に使うと、会社の資金確保が難しくなります。社長は家族に対して、会社の資金は会社を守る最後の砦であることを理解させる必要があります。
また、社長個人の生活レベルを上げすぎないよう、家族教育を行うことも重要です。会社の利益は積極的に内部留保し、社長個人の富を追求するのではなく、企業の成長に注力することが肝心なのです。
社長の資産形成
社長は、会社とは別に個人資産を形成することが望ましいでしょう。例えば、不動産投資や資産運用を行い、会社への過度な依存を避けることで、リスクを分散できます。
社長個人の資産形成は、リタイア後の生活の糧にもなります。会社経営と個人資産の両立を図ることで、より健全な財務体質を築くことができるのです。
まとめ
本日は、財務に強い会社の特徴と、利益とお金の真実について解説してきました。財務に強い会社は、利益とお金の性格の違いを理解し、適切に管理しています。また、間接経費の削減に注力し、健全な財務指標を維持しています。さらに、経営幹部の数字リテラシーが高く、内部留保を積極的に行うことで、財務基盤を強化しています。
加えて、社長個人の財務基盤が強固であることが重要です。会社の資金は守るべき最後の砦であり、社長自身の資産形成も並行して進める必要があります。このように、財務、会計、経営の各側面から取り組むことで、財務に強い会社を作ることができるのです。
よくある質問
企業の利益とキャッシュフローの関係は?
企業の利益が出ていても、キャッシュフローが悪化すると「黒字倒産」のリスクがある。売掛金の回収遅れや借入金の返済など、利益とキャッシュフローはイコールではない。財務に強い企業は、この関係を正しく理解し、売上だけでなく利益を生み出し、売上代金の早期回収や適切な在庫管理など、資金繰りを意識した経営を行っている。
財務に強い企業の特徴は?
財務に強い企業は、間接経費の適切な管理、健全な財務指標の維持、経営幹部の数字リテラシーが高いなどの特徴がある。また、内部留保を積極的に行い、将来の不況や投資に備えている。社長個人の財務基盤も強固であることが重要だ。
内部留保の意義は?
内部留保には、万が一の経営危機に備えるための保険的な役割や、企業間の掛取引において信用の指標となる機能がある。ただし、内部留保をしすぎると法人税の課税対象となる可能性があるため、適切な水準を維持することが重要。
社長個人の財務基盤の重要性は?
社長個人の財務基盤が強固であることが、財務に強い企業を作るために重要である。社長個人の生活レベルを上げすぎず、会社の利益を積極的に内部留保し、企業の成長に注力することが肝心だ。また、社長個人の資産形成を並行して進めることで、より健全な財務体質を築くことができる。