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地域一番店になるために必要な7つの戦略
「どうすれば、地域で選ばれる店になれるのか?」
これは、多くの中小企業経営者にとって最大の関心ごとです。価格競争でも、大手チェーンとの体力勝負でもなく、「あの店がいいよ」と自然とお客様から選ばれる存在になる――それが、地域一番店の真の姿です。
私たちは、数多くの企業支援を通じて、実際に「地域一番店」へと成長した事例を見てきました。その経験をもとに、7つのポイントに整理してお伝えします。
目次
1. 地域顧客を知り尽くす「情報資産」
まず大切なのは、顧客理解の深さです。
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誰が来ているか?(年齢層、男女比、地域)
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なぜ来てくれるのか?(価格、接客、利便性)
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なぜ来なくなるのか?(不満、競合、飽き)
POSやアンケート、LINE登録者の属性データなどを分析し、自社の強みと機会を明確にすることが第一歩です。
2. 選ばれる「理由」をつくるUSP(独自の強み)
地域一番店は、価格ではなく「理由」で選ばれます。
そのためには、他店と比べて「ここにしかない価値=USP(Unique Selling Proposition)」を明確に打ち出す必要があります。
例:
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飲食店:◯◯産の無農薬野菜だけを使った家庭料理
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美容室:カウンセリング60分で人生を変える提案
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工務店:10年後のメンテナンスコストまで可視化
3. お客様の声を「見える化」する
現代は“信頼”で選ばれる時代。
自社の強みを第三者の声で伝えることが、集客・信頼獲得につながります。
具体的には:
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Google口コミの取得と返信
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店内・チラシ・ホームページへの「お客様の声」掲示
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事例紹介や体験談(ビフォーアフター)の発信
4. 「感情で選ばれる」ストーリーづくり
人は「理由」ではなく「共感」で行動します。
あなたの想いや、創業ストーリー、挫折や挑戦のエピソードを発信することで、ファン客が生まれます。
ホームページやSNSで使える例:
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店長の想い
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スタッフ紹介とその人の人柄
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地域との関わり(ボランティア、地元コラボ)
5. 一番店に必要な「仕掛けと習慣」
戦略は1日では成果が出ません。
地域一番になる企業は、「仕組み」で勝っています。
たとえば:
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毎月のイベント(誕生月特典、◯◯の日キャンペーン)
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スタッフによる1日1回のお客様フォロー
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来店理由を記録し、再来店の仕掛けづくり(DM、LINE、手紙)
これらを「マニュアル化」し、誰がやっても結果が出る仕組みにすることがポイントです。
6. 経営数字を「見える化」し、未来を描く
売上だけでは、地域一番店はつくれません。
利益・回転率・リピート率・粗利率・客単価など、経営の体質改善が必要です。
私たちは、「経営レントゲン」や「利益拡大ピラミッド」を使って、どこを改善すべきか一目でわかる仕組みを提供しています。
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利益を生まない商品をやめる
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回転の早い商品を前面に出す
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リピーター率が高い客層に絞る
こうしたデータ経営が、持続的な「地域一番化」を実現します。
7. あなたの店の未来像を、チームで共有する
最後のカギは「チーム化」です。
一人で頑張っていては限界があります。全スタッフが、「うちの店は◯◯を目指している」と語れる状態をつくることで、行動と結果がそろってきます。
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月1回の社内勉強会
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数値目標とその進捗の共有
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表彰制度、報奨金などの制度設計
地域一番店になれない店の共通点【5つの落とし穴】
「一番店になるぞ!」と意気込んでいても、実際には空回りしてしまう店舗も少なくありません。
ここでは、私たちが現場で数多く見てきた“地域一番になれない店”の共通点を5つに整理してお伝えします。
1. 「商品がいい」だけで集客できると思っている
味がいい、性能が高い、仕入れにこだわっている――確かに素晴らしいことですが、それだけでは選ばれる理由にはなりません。
理由:
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お客様は比較できません(味・品質は“違い”が伝わらない)
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価値が伝わらなければ、価格勝負になります
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「うちの商品はいい」と自分目線になっている
成功する店舗は、「お客様目線」で価値を伝えています。
たとえば「子ども連れでも安心して来られる設計」や「10分でランチが出るスピード感」など、**“体感できる違い”**を明確にしています。
2. チラシやSNSをやっているが「売り込み」ばかり
折込チラシやInstagram、LINE公式などを活用していても、反応が鈍い店には共通点があります。それは「一方的な発信=売り込み」に偏っていること。
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「キャンペーン開催中!」
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「新商品登場!」
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「◯円引き、今だけ!」
これらは情報としては正しくても、感情を動かしません。
一方で、地域一番店は「ストーリー」や「人柄」を発信しています。
例:
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「常連さんの声から生まれた◯◯メニュー」
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「開業当時、初めて来てくれたお客様の話」
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「店主の想いを綴った手書きメッセージ」
「自分ごと化」される発信をしていないと、選ばれ続ける店にはなれません。
3. 数字を見ていない経営
一番店になれない店に多いのが、「感覚経営」だけで走っているケースです。
以下のような状況が続くと、じわじわと経営体力が削られます。
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月末に利益が出ているかどうかを見ていない
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客単価や回転率の変化に気づいていない
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原価や人件費のコントロールがされていない
「忙しいけど儲からない」と感じるのは、数字のレントゲンを撮っていない証拠です。
地域一番店になるには、数値で仮説と検証を繰り返す習慣が必須です。
4. スタッフ任せ・運任せの現場
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教えてもすぐ辞める
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やる気に波がある
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接客レベルがバラバラ
こうした店舗では、店主が「人がいない」「最近の若者は」と嘆きがちですが、根本は**“仕組み”がないこと**にあります。
地域一番店は、以下を徹底しています。
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業務マニュアル・動画化
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1日5分の朝礼で理念と数字の共有
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「ありがとうカード」などの承認文化づくり
人に依存せず、「仕組みで再現性をつくる」ことが、安定したサービス品質と継続成長を生みます。
5. 「目先」の対策ばかりで、未来を描いていない
売上が落ちた → 値引き
人が来ない → チラシを増やす
忙しい → アルバイトを追加
こうした対応は、いずれも“その場しのぎ”であり、根本改善ではありません。
地域一番店は、3年先・5年先を描いて行動しています。
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理想の未来像を社内で共有
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客層を育てる教育発信
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スタッフを採用・育成する仕組み整備
未来に目を向けられない店は、いずれどこかで限界が来てしまいます。
私たちが提供する支援メニュー
1. 経営レントゲンテンプレート
現状の問題点が一目で見える、経営診断シート
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売上・利益・回転率・粗利率・リピート率などを図解
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自社のどこがボトルネックなのかを「見える化」
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数値で優先順位をつけ、改善ポイントを明確に
→「感覚経営」から「根拠ある経営」へ転換できます。
2. 利益拡大ピラミッド
利益が残るビジネスモデルを段階的に構築する図解
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価格戦略・粗利率改善・固定費コントロールなどを整理
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「どの層を厚くするか」で利益体質を強化
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スタッフと共有しやすい設計
→経営会議や社内共有資料としても活用できます。
3. 地域一番の販促カレンダー(月次スケジュール)
12ヶ月の販促企画と運営の流れを定型化
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季節イベント×来店動機を組み合わせた仕掛け設計
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SNS・LINE・チラシの連携方法もセットで解説
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反応率を測定し、PDCAを回すための記録欄付き
→毎月「次に何をすればいいか」が明確になります。
4. ビジョンマップ&3カ年計画フォーマット
夢と数字をつなぐ、未来設計のフレームワーク
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目指す将来像を「売上・人員・商品・仕組み」で可視化
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3カ年のPL(損益)、BS(財務)、CF(資金繰り)を整備
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金融機関提出にも使えるレベルで資料化
→計画に基づいた資金調達・設備投資もスムーズに。
【事例1】地方の個人飲食店:LINE活用と商品設計で売上1.4倍
Before:
ランチ来店数が減少。リピーターが少なく、集客はチラシに頼りきり。経営者はSNSが苦手で、LINEは導入したものの機能を活かせていない状態。
支援内容:
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LINE登録特典と誕生日クーポンのテンプレート導入
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「1日10食限定」商品戦略とPOP改善
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月次販促カレンダー導入と反応率分析
After:
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LINE登録者が3ヶ月で500人→月10万円以上のリピート売上
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限定商品が常に完売し、「売り切れる店」へブランド転換
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月商130万円→180万円へ、粗利率も向上
【事例2】中堅建設会社:財務見える化と採用力強化で黒字転換
Before:
売上は安定しているが、利益が残らない。現場の原価管理が曖昧で、採用にも苦戦。銀行からの評価も低く、融資審査に時間がかかる。
支援内容:
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経営レントゲン導入と粗利率の見直し
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3カ年ビジョンと人員計画の言語化
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採用ページ強化とスタッフ理念共有シートの導入
After:
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粗利率が6%改善し、初の月間黒字化を達成
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求人からの応募数が3倍に増加
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銀行融資の審査期間が短縮され、設備投資も実現
【事例3】介護事業所:理念共有と業務改善で離職率50%減
Before:
スタッフ間の連携が悪く、離職が続いていた。利用者との関係性も表面的で、クレームも多発。現場責任者も疲弊気味。
支援内容:
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理念浸透ワークショップと共有シートの導入
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毎週の5分ミーティングフォーマットを提供
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利用者満足度アンケートの設計と改善活動サイクル導入
After:
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離職率が前年比で半減
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利用者からの評価が向上し、紹介での契約が増加
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管理者の負担軽減とチーム力向上で職場に活気が戻る
【事例4】民泊・宿泊業:価格設計と導線改善で稼働率80%超
Before:
立地がやや不利で、稼働率が常時50〜60%。料金も競合と横並びで差別化ができていない。清掃やチェックイン業務に手間も多く利益が出にくい構造。
支援内容:
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利益拡大ピラミッドを活用した価格再設計
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口コミを意識した導線・写真・説明文の改善
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清掃業務の外注化とチェックイン自動化テンプレ導入
After:
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平均宿泊単価が12%アップ
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稼働率が70%→85%に上昇
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利益が2.1倍に増加し、2拠点目の開設を計画中
地域一番店は「戦略×仕組み×人」の総合力
これらの事例はすべて、「テンプレートを使った即実行」と「社内の巻き込み」が成果につながった好例です。
私たちは、ただ理論を教えるのではなく、「現場で回る仕組み」をご一緒に作り上げます。