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社長が押さえるべき財務の「3点セット」をマスターして企業成長を実現しよう

2025/06/02最新の運営方法とは?

はじめに

経営者にとって、財務状況を正しく把握することは極めて重要な課題です。適切な判断と意思決定を下すためには、数字に裏付けられた分析が不可欠なのです。本日は、社長が押さえるべき財務の「3点セット」について、詳しく解説していきます。

財務三表の重要性

企業の財務状況を把握する上で、最も基本となるのが財務三表です。これは、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書の3つを指します。

貸借対照表

貸借対照表は、企業の財政状態を一目で把握できる重要な財務諸表です。資産と負債、そして純資産の関係を示しており、企業の安全性や健全性を判断する上で欠かせません。

例えば、自己資本比率が高ければ、借入れに頼らずに事業を運営できる健全な経営体質であると言えます。一方、固定比率が高すぎれば、設備投資に多額の資金を回しており、キャッシュフローに課題があることが伺えます。

損益計算書

損益計算書は、一定期間の企業の経営成績を表した財務諸表です。売上高から売上原価や経費を差し引いた最終的な利益が示されます。

売上高営業利益率や売上高経常利益率などの指標を確認することで、企業の収益性を判断することができます。また、販売費及び一般管理費の内訳を見ることで、どの部門にコストがかさんでいるのかも把握可能です。

キャッシュフロー計算書

キャッシュフロー計算書は、一定期間の企業の現金の動きを示した財務諸表です。営業活動、投資活動、財務活動の3つに区分されています。

営業活動によるキャッシュフローがプラスであれば、本業で現金を生み出せていることを意味します。一方、財務活動によるキャッシュフローが大きければ、借入金に頼っている可能性があります。このように、キャッシュフローの内訳を分析することで、企業の資金繰りの健全性を把握できるのです。

経営指標の活用

財務三表を基に、経営者は様々な経営指標を算出し、分析することができます。ここでは、代表的な経営指標について解説します。

収益性を示す指標

企業の収益力を判断する上で参考になるのが、以下の指標です。

  • 売上高営業利益率
  • 売上高経常利益率
  • ROA(総資産経常利益率)
  • ROE(自己資本利益率)

これらの指標が高ければ高いほど、企業は収益を上げられていると評価できます。特にROAとROEは、資本の効率的な運用ができているかどうかを示す重要な指標です。

安全性を示す指標

企業の財務の健全性を判断する上で参考になるのが、以下の指標です。

  • 自己資本比率
  • 固定比率
  • 流動比率
  • インタレスト・カバレッジ・レシオ

自己資本比率が高ければ借入金に頼らない経営ができ、固定比率が低ければ過剰投資のリスクが低いと言えます。また、流動比率が高ければ短期的な支払い能力に優れ、インタレスト・カバレッジ・レシオが高ければ返済能力が高いことを意味します。

資金繰り指標

企業の資金繰りの健全性を判断する上で参考になるのが、以下の指標です。

  • キャッシュフロー計算書の営業活動によるキャッシュフロー
  • 現金同等物/月間営業費用
  • 当座比率

営業活動によるキャッシュフローがプラスであれば、本業で現金を生み出せていることを意味します。また、現金同等物/月間営業費用が高ければ手元資金が豊富で資金繰りに余裕があり、当座比率が高ければ短期債務の支払い能力が高いと言えます。

財務指標を活用した経営改善

上記の財務指標を適切に把握し、分析することで、経営者は自社の強みと弱みを見極めることができます。そして、弱みを解消するための具体的な改善策を立案し、実行に移すことが可能になります。

事例1: 売上拡大

売上高営業利益率が低い場合、原価率が高すぎる、販売費及び一般管理費が過大である可能性があります。製品の原価管理を徹底したり、人件費や広告宣伝費などの経費を見直したりすることで、売上高営業利益率を改善できます。

また、新規営業活動を強化したり、新商品の投入を行ったりすることで、売上高そのものを伸ばすことも重要です。

事例2: 借入金の返済

自己資本比率が低く、有利子負債が多い場合は、借入金の返済を優先すべきでしょう。営業活動によるキャッシュフローが堅調であれば、そのキャッシュフローを借入金の返済に回すのが賢明です。

一方、キャッシュフローが不安定であれば、不動産の売却や、役員報酬のカットなどの緊急措置を講じ、返済の原資を捻出する必要があります。借入金は、返済が滞れば金利負担が嵩み、最悪の場合は債務超過に陥る可能性があるので、早期の返済が肝心です。

事例3: 設備投資の見直し

固定比率が極端に高い場合は、過剰な設備投資を行っている可能性があります。この場合、新規投資を控え、維持更新投資に特化するなどの措置が必要でしょう。

また、投資の意思決定プロセスを見直し、投資案件の厳選を行うことも重要です。設備の稼働率を上げ、のれん代を最小化することで、固定比率の改善につなげることができます。

まとめ

社長が押さえるべき財務の「3点セット」は、財務三表と経営指標、そしてそれらを活用した経営改善の3つでした。財務三表を正しく読み解き、自社に適した経営指標を算出、分析することが不可欠です。そして、経営指標から浮かび上がった課題を解決するための具体的な施策を実行に移すことで、企業の持続的な成長を実現できるはずです。

数字に裏付けられた経営は、的確な意思決定と迅速な行動を可能にしてくれます。社長自ら、財務分析を怠ることなく、企業価値の向上に全力を尽くしていってください。

よくある質問

財務三表とはどのようなものですか?

財務三表とは、企業の財政状態と経営成績を示す重要な財務諸表で、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書の3つを指します。これらの表から企業の安全性、収益性、資金繰りなどの状況を把握することができます。

経営指標とはどのようなものですか?

経営指標とは、財務三表に基づいて算出される数値指標で、企業の収益性、安全性、資金繰りなどを評価するのに使用されます。代表的な指標にはROA、ROE、自己資本比率、流動比率などがあります。これらの指標を分析することで、企業の強みと弱みを把握し、改善策を立てることができます。

財務指標を活用した経営改善とはどのようなことですか?

財務指標を適切に把握し分析することで、経営者は自社の強みと弱みを見極められます。そして、弱みを解消するための具体的な改善策を立案し、実行に移すことが可能になります。例えば、売上高営業利益率が低い場合は原価管理や経費の見直しが必要、自己資本比率が低い場合は借入金の返済が優先されるなどです。

社長が押さえるべき財務の「3点セット」とはどのようなものですか?

社長が押さえるべき財務の「3点セット」とは、1.財務三表、2.経営指標、3.財務指標を活用した経営改善の3つです。これらを正しく理解し、活用することで、的確な意思決定と迅速な行動が可能となり、企業の持続的な成長を実現できると説明されています。