銀行からの資金調達をスムーズにするには、決算書の読み方

目次
決算書は「会社の通信簿」——でも、それを読める社長は意外と少ない
決算書は、あなたの会社が1年間の事業活動を通じて得た売上や現預金、使った経費、借入金など、すべての数字の集大成です。
つまり、「会社がこの1年、どう動いたのか」を数字で表した経営の記録であり、成長過程のスナップショットとも言えます。
しかしながら、この一枚の決算書をもとに、金融機関はあなたの会社を格付けします。
つまり、社長であるあなたがこの数字の意味を理解し、説明できるかどうかで、銀行からの評価は大きく変わるのです。
あなたの会社が金融機関がどのように評価しているのか?
気になりませんか?あなたの時間を3分下さい、動画もありますので見てみませんか?
真剣に自社の状況を把握したいのであれば、、、、<(_ _)>
銀行評価が上がるか下がるか、それは「社長次第」
決算書の中身をしっかり理解し、自らの言葉で説明できる経営者と、
「税理士さんがやってますので…」と丸投げしてしまう経営者。
銀行が信頼を置くのは、どちらでしょうか?
当然、数字に向き合う姿勢を持つ経営者です。
世の中の8割は赤字会社…?
よく言われる「80対20の法則」。
この法則でいえば、「会社の8割は赤字で、2割が黒字なのか?」という仮説も出てきます。
私の感覚では、実際にはもう少し黒字会社は多いと感じています。
ですが、問題はそこではありません。
本当の課題は、「自社の決算書を読み解ける社長」が非常に少ないことです。
決算書を“見ている”だけで、“読めている”社長はごくわずか
私たちは財務コンサルタントとして、これまで数多くの企業の決算書を見てきました。
数字を見れば、会社の状態や経営のクセが瞬時にイメージできるようになります。
そのうえで、経営者の方にいくつか質問をします。
しかし、その質問に的確に答えられる方は、残念ながらほとんどいないのが現状です。
数字が読めれば、経営の景色が変わる
決算書は、「税理士に任せるもの」でも「銀行に出すための書類」でもありません。
本来は、社長自身が経営の判断材料として使うべき、最強の経営ツールなのです。
もし、数字に自信がないと感じているなら、まずは「読み方」から学ぶことをおすすめします。
そして、自社の数字をしっかり理解できれば、銀行との関係も、未来の経営戦略も、大きく変わっていくはずです。
よろしければ、決算書の見方の動画がありますのでご覧下さい。↓↓↓
決算書が苦手?会社の健康状態が3分でわかる「たった3つのチェックポイント」
年に一度、税理士から届く決算書の束。 「銀行から内容を聞かれても、うまく答えられない…」 「なぜか資金繰りや設備投資がスムーズに進まない…」
こんなお悩み、ありませんか? 実はその原因、「決算書が読めていないこと」にあるのかもしれません。
でも、ご安心ください。決算書は決して難しい暗号ではありません。 会社の「健康診断書」であり、経営の「羅針盤」です。
この記事では、なぜ多くの社長が決算書を苦手と感じるのか、そして、会社の未来がクリアになる「決算書の読み方」のポイントを、初心者の方にも分かりやすくお伝えします。
そもそも、なぜ決算書が読めないのか?
ゴルフのルールを知らずにコースに出て、良いスコアを出せるでしょうか? 会社の経営も同じです。会社の成績表である決算書のルールを知らなければ、経営をうまくコントロールするのは難しいのです。
決算書が読めない理由は、とてもシンプルです。
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「税理士に任せきり」だから:作成の過程を知らないため、完成した書類を見てもピンとこない。
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「税金計算のためだけの書類」だと思い込んでいるから:経営に活かすという視点が抜け落ちている。
社長であるあなた自身が誰よりも会社の状況を把握するために、決算書を読みとる力が必要不可欠です。
決算書が読めると、経営はこう変わる!
決算書という羅針盤を手に入れると、こんなメリットがあります。
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会社の進むべき方向が明確になる
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経営に対する漠然とした不安がなくなる
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銀行との対話がスムーズになり、資金調達がしやすくなる
会社の数字を根拠に、自信を持って経営判断ができるようになるのです。
初心者でも大丈夫!会社の健康診断「3つのチェックポイント」
決算書の全てを理解する必要はありません。 まずは過去3年分の決算書を並べて、会社の「健康状態」を把握するための、この3つのポイントをチェックしてみましょう!
Point 1:会社の借入金の依存度について(体力→安全性)
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あなたの会社は、この3年間で…
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借入金は増えていませんか?
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売上は横ばい、あるいは少ししか伸びていませんか?
たったそれだけでも、会社の“血液状態”=資金繰りや財務体質の変化が見えてきます。
✅【パターン①】売上横ばい、借入金だけが増えている会社
これは、財務のプロから見ると**“静かに体力が失われている”**状態です。
📉どうなるか?
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利益が出ていない(あるいは薄利)ため、運転資金を借金でまかなっている
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固定費が高止まりし、資金が足りず借入でつなぐ状況
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金利上昇や返済リズムのズレで、突然資金繰りが悪化するリスク
🛑こういう会社は…
見た目は安定していても、ある日突然、資金ショートの危機に直面します。
✅【パターン②】売上は伸びているが、借入金も同じペースで増えている会社
一見「成長している会社」に見えますが、注意が必要です。
📉考えられる背景は…
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設備投資や人員拡大に先行コストがかかっている
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売上は伸びているが、利益率が低いため内部留保が追いついていない
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回収条件(売掛金)が甘く、キャッシュインが遅れている
⚠️要注意ポイント
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利益よりもスピード重視で走っている会社は、財務基盤が追いつかずに「急ブレーキ」がかかることも
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売上成長に比例して借入金も増える場合、利益とキャッシュの伸びも連動しているか確認すべきです
📊 財務のプロは「売上 vs 借入の比率」をこう見る
状況 コメント 売上>>借入 理想的。自己資金で成長できる健全企業。 売上≒借入 成長中だが、要注意。利益率やキャッシュを確認。 借入>売上 要警戒。すでに依存体質か、資金繰りリスクあり。 -
🎯3年間の“見えない傾向”を数字で見える化する
3期分の推移をシンプルに表にすると、より明確になります:
年度 | 売上 | 営業利益 | 借入金残高 |
---|---|---|---|
1期前 | 1.8億円 | 300万円 | 3,500万円 |
2期前 | 1.9億円 | 280万円 | 4,000万円 |
最新期 | 1.95億円 | 250万円 | 4,800万円 |
👆こういった決算構造では、表面的に黒字でも「借金依存」が進んでおり、金融機関の評価も下がりがちです。
🔚まとめ:「成長」か「依存」かを見極めるのは“数字の対話”
売上が伸びていても、借入金が増えていればそれはリスクを伴った成長です。
逆に、売上が横ばいで借入だけ増えていれば、縮小均衡の中での延命に近いかもしれません。
📩あなたの会社はどっち?
「数字はなんとなく見てるけど、そこまで考えたことがなかった」
「借入が妥当なのか、そもそも分からない」
Point 2【利益は“運”ではなく“経費”から生まれる】
経費の正体を知らずに、利益はコントロールできない
📌「黒字になるかどうかは、経費を見ればわかる」
会社の収益力は、「売上の多さ」よりも、
“どの経費が、どの利益を生んでいるのか”を社長が把握しているかどうかで決まります。
「売上-経費=利益」
という当たり前の式ですが、大事なのはその経費の中身を社長がどれだけ理解しているかです。
✅営業利益が出ているか?だけでは不十分です
もちろん営業利益は、会社の“本業の稼ぐ力”を測る大切な指標です。
しかし、その数字の裏には以下のような多種多様な経費が潜んでいます。
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商品・サービスの原価
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既存顧客を維持するための営業コスト
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新規顧客を獲得するための広告宣伝費
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社員の教育、採用、福利厚生などの間接人件費
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販売を支えるためのバックオフィスコスト
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設備投資や更新のための将来コスト
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税金・保険料などの法的支出
これらの中で、**「利益の源になっている経費」と、「垂れ流しになっている経費」**を社長が識別できていなければ、利益は偶然に任せるしかなくなります。
🧩経費の見方ひとつで、会社の未来は変わる
以下は、私たちがよく経営者に問いかける視点です:
💬 あなたは経費について、ここまで把握できていますか?
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✅ 商品やサービスごとの原価構造はどうなっているか?
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✅ どの経費が利益を直接生み出しているのか?
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✅ 既存顧客を守るために、いくらかけているか?
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✅ 新規顧客を獲得するのに、1人あたりいくらかかっているか?
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✅ 自社に必要な最低限の固定費はいくらか?
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✅ 今後のために必要な**投資経費(採用・設備・開発費など)**を見込んでいるか?
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✅ 納税資金は、確保できる設計になっているか?
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✅ 従業員の定着やモチベーション維持にかかる間接的なコストを認識しているか?
🎯「見えている経費」と「見えていない経費」の差が利益になる
多くの社長が、「経費は税理士に任せている」と考えがちですが、
実際には経営判断に直結する“コストの構造”は、社長が見抜くべき領域です。
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削るべき経費
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攻めるために使うべき経費
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将来のために仕込むべき経費
これらのバランスをコントロールできてはじめて、“利益をつくる経営”が実現します。
🔚まとめ:あなたは、自社の経費の「意味」と「効果」を説明できますか?
経費は、単なる支出ではありません。
会社の戦略そのものであり、利益を生む投資の源泉です。
だからこそ、社長であるあなたがその構造と意味を把握していなければ、
本当の意味での経営はできません。
Point 3:会社の【血液】は流れてる?(お金の流れ)
【黒字でも資金ショート!?】
「利益が出たのにお金がない」社長が知らない資金繰りの落とし穴
📌「今年は黒字で利益が出ました!」…でも通帳の残高は増えていない?
このような相談を、私たちは数多く受けます。
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「黒字なのに、なぜかお金が増えていない…」
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「利益が出たとたん、資金繰りが苦しくなった…」
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「むしろ赤字のときのほうが気持ちに余裕があった気がする…」
それ、間違っていません。
✅ 資金繰りは「黒字」よりも「現金残高」がすべて
経営において本当に大事なのは、「利益」よりもお金が手元に残っているかどうかです。
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黒字でも資金繰りが苦しい会社
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赤字でも現金が潤沢でうまく回っている会社
実際に、どちらもたくさん存在します。
🧮黒字になると、なぜ資金繰りが悪化するのか?
理由はシンプル。
利益が出ると、「返済」と「納税」がセットでやってくる」からです。
📌黒字=お金が出ていくトリガーが増える!
支出内容 | 詳細説明 |
---|---|
借入金の返済 | 利益が出る=銀行からの評価が上がる=元本返済が進む |
法人税の納税 | 利益が出れば、その分税金が増える(基本的に3割前後) |
節税投資 | 決算対策で設備投資や保険加入など「先出し支出」が発生 |
配当・役員報酬 | 黒字に応じて、報酬を上げたり利益処分を実行するケースも |
💡一方で、赤字のときはどうか?
もちろん赤字が続けば経営は立ち行かなくなります。
しかし「一時的な赤字」であれば、むしろ資金繰りがラクに感じることもあります。
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法人税の納税が発生しない
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元本返済の据え置きやリスケ交渉が可能
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「資金調達できないなら、身の丈で回す」という逆に自然な資金感覚になる
🔍では、会社に本当にお金が残っているかをどう見る?
ここで役立つのが、「キャッシュ・フロー計算書」です。
✅見てほしいのは【営業キャッシュフロー】
これは、「本業の活動で、実際にお金が増えたか減ったか」を示す項目です。
状況 | 解釈 |
---|---|
黒字&キャッシュプラス | 理想的な成長型 |
黒字&キャッシュマイナス | 要注意!回収・在庫・設備投資などに問題あり |
赤字&キャッシュプラス | 一時的赤字の可能性。事業転換中などでは健全 |
赤字&キャッシュマイナス | 資金ショートリスク。早急な改善・支援が必要 |
🎯社長が知るべきは、「会社に本当にお金が増えているのか?」
税引前利益や営業利益だけでは、資金繰りは読めません。
社長が見るべきは:
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✅ 税金支払いや返済後、「自由に使えるお金」はいくら残るのか?
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✅ 黒字になったあとに、資金繰りがどう変化するのか?
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✅ 現預金の推移が3年間でどうなっているか?
これをしっかりと把握することが、“利益を残す経営”から“お金を残す経営”への第一歩です。
🔚まとめ:経営とは「黒字を出すこと」ではなく、「お金を残すこと」
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黒字でも資金ショートする会社は山ほどある
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赤字でも健全に資金を回している会社もある
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重要なのは、「今、手元に現金が残っているかどうか」
利益が出ていても、お金がなければ会社は倒産します。会社の「血液」であるお金が、きちんと流れているかを確認します。
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見るもの:キャッシュ・フロー計算書
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ひとことで言うと:本業の活動で、実際に手元のお金が増えたか・減ったか。
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チェック!:利益は出ているのに、ここがマイナスなら要注意。「売ったお金の回収が遅れている」「在庫が増えすぎている」など、お金の流れが滞っている(血液ドロドロ)可能性があります。
さあ、今日からできる「最初の一歩」
「いきなりは難しそう…」と感じた方も、大丈夫です。一番の近道は、「プロに聞くこと」
「経営に活かしたいので、うちの会社の決算書のポイントを、この3つの視点で教えてください!」 と伝えてみてください。
そして、過去3期分の決算書を並べて、数字がどう変化したかをあなた自身の目で確かめてみましょう。改善すべき点が見えてくるはずです。
決算書は、社長であるあなたを助けてくれる最強のツールです。 会社の数字と向き合うことで、漠然とした不安は「次の一手」への自信に変わります。
まずはこの記事の3つのチェックポイントから、あなたの会社の健康診断を始めてみませんか?
地域一番店になるために必要な7つの戦略
社長業とは?”孤独と決断”の正体と生き残る社長について
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この考え方で見れば、見方が変わります。